Nursing Study
乳幼児肺炎の看護
新井 澄子
1
1東京逓信病院小児科
pp.21-24
発行日 1962年3月15日
Published Date 1962/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911578
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肺炎の分類と罹病傾向
肺炎には気管支から毛細気管支,肺胞などガス交換のための管腔そのものに炎症が起こる場合と,毛細気管支壁およびその周囲の組織,肺胞隔あるいはここにある毛細管壁などに主として病変が起こり,肺胞内にはいちじるしい変化が見られない場合とがあります。前者にはカタル性肺炎とクループ性肺炎とがあり,後者は間質性肺炎といい,いわゆる毛細気管支炎あるいは肺臓炎といわれるものと,胞隔肺炎を起こすものとの2種類があります。カタル性肺炎は肺炎双球菌,黄色葡萄球菌,溶血性連鎖球菌など種々の細菌によって発病し,クループ性肺炎は主として肺炎双球菌によるものであります。間質性肺炎はインフルエンザ・ウイルス,アデノ・ウイルス,麻疹伝染性単球増多症を起こすウイルス,あるいは百日咳菌パイヘル桿菌などによって起こり,胞隔性肺炎は強いウイルス血症を起こすあらゆるウイルス症の場合に見られます。
またウイルスと細菌との共生による肺炎は,臨床上はカタル性肺炎の症状を呈し,細菌性肺炎の間でも葡萄球菌とフリードレンデル桿菌によるものは,多数の膿瘍を生ずることが多く,膿瘍性肺炎とも呼ばれています。
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