特集 気管支喘息のガイドラインを実臨床に生かす―こんなときどうする?
日常診療にガイドラインをどう生かすか―こんなときどうする?
気管支喘息のリスクと発症予防
福家 辰樹
1
FUKUIE Tatsuki
1
1国立成育医療研究センターアレルギーセンター総合アレルギー科
pp.752-757
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000162
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はじめに
小児期における気管支喘息(以下,喘息)を含めたアレルギー疾患は20世紀半ばより高所得国で有病率が急増し,「epidemic of the 21st century」ともよばれる。喘息は現在,わが国においては有症率の減少や重症化軽減の傾向が報告されているが,世界では約3億人が罹患していると推定され1),さらに今後の数十年における世界人口の増加,都市化が進むことで患者数が指数関数的に増加する可能性が示唆されている。喘息患者の肺機能障害は小児期にも現れしばしば持続し,成人における死亡原因の一つである慢性閉塞性肺疾患(COPD)の罹患リスク2)であることを考慮すれば,喘息が患者のみならず医療や社会全体に及ぼす負担は大きく,喘息予防のための効果的な介入方法が今なお期待されている。
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