特集 COVID-19
各論
COVID-19症例から学ぶ 重症COVID-19の管理経験
伊藤 雄介
1
ITO Yusuke
1
1兵庫県立尼崎総合医療センター小児救急集中治療科/小児感染症内科
pp.211-215
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000040
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はじめに
わが国でも2021年の第4波や第5波になると流行の拡大とともに重症例が急増し,人工呼吸器管理やECMOを必要とする患者も多く,集中治療室が満床になることも多かった。そのなかでも幸いにも小児の重症例は多くはなく,2021年11月の時点で中等症や重症例は49例(日本小児科学会/日本集中治療医学会調査)であり,そのうちの3割程度が人工呼吸器を使用していた。ただしこの数字はCOVID-19関連の心筋炎やMIS-Cの症例も含んでおり,ウイルス性肺炎に対して人工呼吸器を使用した症例はより少ないと考えられる。世界的にも成人に比べ小児の重症例は相当少なく,治療薬や呼吸管理方法に関して小児に特化したエビデンスレベルの高い知見の集積はない。
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