特集 COVID-19
各論
COVID-19の流行がもたらした子どもたちへの影響 子どもの身体への影響:眼科的影響
不二門 尚
1
FUJIKADO Takashi
1
1大阪大学大学院生命機能研究科
pp.159-163
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000029
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はじめに
コンピュータやスマートフォンなどのデジタルデバイスを長時間または不適切に使用することにより,眼疲労,眼痛,視朦,頭痛,首や肩の凝り,ドライアイなどを訴える症候群はVDT(visual display terminal)症候群,またはCVS(computer vision syndrome)とよばれている1)。新型コロナウイルス感染症でテレワークが増加している状況で,本症のさらなる増加が懸念されている。一方,小児においてはテレワークの増加やデジタル教科書の導入により,デジタルデバイス(スマートフォン,タブレット端末など)の使用時間が増加し,近視への影響が懸念されている。近視は,中高年になると,度数に応じて黄斑変性や緑内障の発症率が指数関数的に増加し,視力や視野の障害が出やすい。近視の合併症が生じてからの治療は限界があるので,幼小児期に近視を進行させない対策をとる必要がある。
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