特集 周産期診療コツと落とし穴
Ⅰ.母体・胎児編
(10)分娩時〔産科処置〕
80.オキシトシンからプロスタグランジンへの切り替えは有効か?
竹田 純
1
Jun Takeda
1
1順天堂大学医学部産婦人科学講座
キーワード:
オキシトシン
,
プロスタグランジンF2α
,
分娩誘発
,
陣痛促進
,
頸管熟化
Keyword:
オキシトシン
,
プロスタグランジンF2α
,
分娩誘発
,
陣痛促進
,
頸管熟化
pp.264-267
発行日 2026年10月10日
Published Date 2026/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002895
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はじめに
近年,日本でも無痛分娩は急速に普及しており,分娩誘発や陣痛促進を必要とする症例も増加している。無痛分娩では疼痛緩和に伴い分娩進行パターンが変化することがあり,分娩進行が緩徐となる症例も少なくない。そのため,オキシトシンによる陣痛促進が行われる機会も増えている。しかし,システマティックレビューでは,無痛分娩中にオキシトシンによる陣痛促進を行っても,器械分娩率や帝王切開率は必ずしも改善しないことが報告されている1)。このことは,無痛分娩における分娩進行の遷延が,単純な子宮収縮不足のみで説明できない可能性を示唆している。一方で,オキシトシンによる十分な分娩進行が得られない症例においては,異なる作用機序を有するプロスタグランジン(PG)F2αへの切り替えが理論的選択肢として考えられることもある。PGF2αは,オキシトシンとは異なる受容体系を介して子宮収縮を惹起するため,理論的には一定の合理性を有する。しかし,その有効性を支持する十分なエビデンスは乏しく,安全性の観点からも慎重な判断が必要である。

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