特集 周産期診療コツと落とし穴
Ⅰ.母体・胎児編
(6)妊娠中・後期〔産科合併症〕
44.妊娠後期の出血;鑑別診断のコツ
前田 隆嗣
1
,
上塘 正人
1
Takatsugu Maeda
1
,
Masato Kamitomo
1
1鹿児島市立病院産婦人科
キーワード:
母児の危機
,
出血の性状
,
胎児心拍数陣痛図
,
胎盤の状態
Keyword:
母児の危機
,
出血の性状
,
胎児心拍数陣痛図
,
胎盤の状態
pp.146-148
発行日 2026年10月10日
Published Date 2026/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002859
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はじめに
妊娠後期(一般に第3三半期,妊娠28週から分娩直前の期間)に起こる出血は一般的な症状であり,正常な分娩開始時の産徴(bloody show,しるし)のような異常所見とは考えられていないものから,母体・胎児ともに重篤な状態になる疾患の初発症状であることもあるため,原因の鑑別と迅速な対応が重要である。妊娠中の出血は外子宮口から出血する症例が多いが,子宮内にとどまる出血の場合や腹腔内出血もあり,出血量はごく少量から母体・胎児の生命をも脅かすような大量出血の場合もある。妊娠後期の出血の原因には,妊娠に関連するものと,子宮腟部の器質的病変や腟壁損傷など妊娠とは直接関連しないものがある。表に示すような疾患がよく知られている。各疾患は臨床症状や検査所見に重複が多く,特に発症初期には診断が困難であることも多い。本稿では,常位胎盤早期剝離以外を中心に,妊娠後期の出血における主要疾患の鑑別診断のポイントについて概説する。

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