特集 周産期感染症2026
概論
1.母子感染の機序と動向
早川 智
1
,
髙田 和秀
1
,
Quang Trinh Duy
1
,
高野 智圭
1
,
竹田 善紀
1
,
相澤(小峯) 志保子
1
Satoshi Hayakawa
1
,
Kazuhide Takada
1
,
Quang Trinh Duy
1
,
Chika Takano
1
,
Yoshiunori Takeda
1
,
Shihoko Komine-Aizawa
1
1日本大学医学部病態病理学系微生物学分野
キーワード:
経胎盤感染
,
胎盤バリア
,
催奇形性
,
TORCH症候群
Keyword:
経胎盤感染
,
胎盤バリア
,
催奇形性
,
TORCH症候群
pp.2-5
発行日 2025年12月25日
Published Date 2025/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002415
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はじめに
母子感染には子宮内感染(経胎盤感染,胎内感染),産道感染,母乳感染の3つの経路がある。産道感染と母乳感染は帝王切開と人工栄養で予防が可能であるが,子宮内感染はコントロールが難しく,特に器官形成期の感染はさまざまな先天異常の原因となることがある1)。従来,TORCH症候群として知られてきたトキソプラズマ,梅毒トレポネーマ,風疹ウイルス,サイトメガロウイルス(CMV),ヘルぺスウイルス(HSV)に加えて,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)やヒトT細胞白血病ウイルス-1型(HTLV-1),ジカウイルス,シャーガス病など,さまざまな病原体が経胎盤感染を起こすことがわかってきたが,インフルエンザウイルスやSARS-CoV-2のように,胎盤に病原体が到達していても,胎児には感染しない場合も多く,胎盤にはバリア機構が存在する(図)。

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