特集 周産期の薬物療法 update 2025 新生児編
各論
低血糖および高血糖治療薬
若野 泰宏
1
WAKANO Yasuhiro
1
1松戸市立総合医療センター新生児科
pp.1132-1135
発行日 2025年9月10日
Published Date 2025/9/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002299
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はじめに
通常,胎児期には臍帯を介して持続的に行われていたグルコースの供給は出生とともに絶ち切られる。血糖値は生後約1時間で最低値をとるが,インスリンの分泌抑制およびグルカゴンの働きにより生後3時間までには上昇安定する1)。低血糖は脳症による神経学的障害をきたし,また高血糖は浸透圧利尿による循環血液量の減少や高浸透圧状態による頭蓋内出血のリスク上昇が知られている。これらのリスクをしっかり把握し,適切に介入治療を行うことが重要である。

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