特集 多胎妊娠2025
多胎の妊娠管理
沖本 直輝
1
OKIMOTO Naoki
1
1岡山医療センター産婦人科
pp.274-278
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002058
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はじめに
多胎妊娠は単胎妊娠と比較すると妊娠期,分娩期,そして産褥期や子育て期においても多くの問題が発生しやすく,注意深く管理する必要があることはいうまでもない。多胎妊娠の妊娠期における大きな問題は,早産,胎児発育不全,妊娠高血圧腎症などであり,さらに一絨毛膜性双胎では双胎間輸血症候群(TTTS)やselective intrauterine growth restriction(IUGR),双胎貧血多血症候群(TAPS)など胎盤吻合血管や胎盤領域の不均衡に由来する問題にも注意を払わなければならない。これらの問題が発生した際は治療を行っていくが,可能な限り疾患の発生しやすい状態を事前に捉え,病態が重症化する前に治療を行うことが,多胎の周産期予後向上に重要なことである。

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