特集 FGR・SGA 児のトピックス
産科
発症要因 胎盤機能不全と合併症妊娠 糖尿病合併妊娠
衛藤 英理子
1
ETO Eriko
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産科・婦人科学
pp.165-167
発行日 2025年2月10日
Published Date 2025/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002019
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はじめに
糖代謝異常妊娠における母児の合併症は多岐にわたり,母体,胎児,新生児の長期予後まで影響を及ぼす(図)。高血糖による胎盤の微小血管障害は胎盤機能不全を引き起こし,妊娠初期に血糖管理が不良であった場合などでは子宮内胎児発育不全(FGR)から低出生体重児となる。また,母体の高血糖は流早産,妊娠高血圧症候群(HDP),巨大児など妊娠分娩期の合併症を引き起こすとともに,母体の病態悪化にもつながる。胎児にも高血糖が移行し,先天異常や胎児死亡,高インスリン血症や過成長の原因となる。生後は低血糖,呼吸障害,高ビリルビン血症など集中治療が必要な場合が多く,成長してからも生活習慣病や神経発達障害などのリスクとなる。

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