羊水過少で肺低形成が起こるメカニズムはどこまでわかっているか

羊水過少と肺低形成

　羊水過少が肺低形成を引き起こす疾患として，Potter症候群が古くから知られている。Potter症候群は両側腎無形成と羊水過少により引き起こされた肺低形成，特異な顔貌，四肢の変形を伴った致死的な症例として1946年に報告された^1）。その後，羊水過少を引き起こす腎・泌尿器系の先天性疾患として，重度の先天性水腎症，多発性囊胞腎，多囊胞性異形成腎などでも胎児の肺低形成を伴うことが報告されてきた。また，胎児の先天性疾患に限らず，早期の前期破水による羊水過少も肺低形成を生じることが知られている。