増刊号 周産期診療のための病態生理
[新生児編]
蘇生
低酸素性虚血性脳症による中枢神経系の傷害はどのような機序によって起きるのか
津田 兼之介
1
,
岩田 欧介
1
TSUDA Kennosuke
1
,
IWATA Osuke
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科新生児・小児医学分野
キーワード:
低酸素性虚血性脳症
,
遅発性エネルギー障害
,
modified Sarnat分類
Keyword:
低酸素性虚血性脳症
,
遅発性エネルギー障害
,
modified Sarnat分類
pp.597-600
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001380
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新生児の低酸素性虚血性脳症の概念
新生児の低酸素性虚血性脳症(hypoxic ischemic encephalopathy:HIE)は周生期の脳エネルギー利用障害によって脳機能に異常をきたした状態を指す。分娩前(低血圧や低酸素,感染),分娩中(臍帯の閉塞・脱出,胎盤機能不全),分娩後(呼吸・循環障害)の要因が,急性もしくは慢性にもたらされることによってさまざまな症状を起こす。時に急性イベントが明らかでないケースが多いことから,より包括的に「新生児脳症」とよぶこともある。
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