発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015140400
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27歳女。嘔気と嘔吐が出現した。胃腸炎の診断で内服薬を処方したが、症状は改善しなかった。その後も嘔気と嘔吐が治まらず立ち上がることもできない状態となり、救急搬送された。頻脈があり、甲状腺機能の更新を認めた。下腹部痛が出現し、腹部骨盤部単純CT検査では、子宮が腫大し、内部に出血を伴う10cm程度の腫瘤影を認めた。経腟超音波検査では嚢胞状組織が充満し、尿中hCGと血中hCGが上昇していたことから胞状奇胎を考え、それに伴う甲状腺中毒症と診断した。MMIおよび無機ヨードの内服は継続し、子宮内膜掻爬術を施行した。摘出標本は肉眼的、組織学的に全胞状奇胎と診断した。術後はMMIと無機ヨードは中止したが甲状腺機能は速やかに改善した。残存病変に対して追加の手術を行い、症状も改善したため退院した。
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