特集 母子感染の最新知識
各論
細菌,原虫,真菌感染症 梅毒
谷口 公啓
1
TANIGUCHI Kimihiro
1
1大阪母子医療センター周産期・小児感染症科
pp.617-621
発行日 2024年5月10日
Published Date 2024/5/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001561
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梅毒の概要
梅毒はスピロヘータのTreponema pallidumによる細菌感染症である。感染経路は主として性行為中の感染部位と粘膜との接触である。感染成立から平均21日間(10~90日)の潜伏期を経て,1期梅毒として陰部に初期硬結,硬性下疳が出現する。その後4~10週の潜伏期を経て,2期梅毒の症状が出現する。皮疹は95%以上の患者で認められ,左右対称性に淡い紅斑や丘疹が出現し,手掌や足底にも認められるのが特徴的である。2期梅毒では発熱,全身倦怠感,全身性リンパ節腫脹などの全身症状やさまざまな臓器症状を呈することがある。
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