特集 周産期における研修医・新人助産師/看護師教育の必修知識 産科編
産褥
乳腺炎
皆本 敏子
1
,
京 哲
1
MINAMOTO Toshiko
1
,
KYO Satoru
1
1島根大学産科婦人科学教室
pp.260-264
発行日 2024年2月10日
Published Date 2024/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001455
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概 念
乳腺炎は妊娠期および産褥期に発症する代表的な産褥感染症であり,日本助産師会の「乳腺炎ケアガイドライン2020」(以下,ガイドライン)によれば圧痛,熱感,腫脹のあるくさび形をした乳房の病変(限局性の病変)で,38.5°C以上の発熱,悪寒,インフルエンザ様の身体の痛みおよび全身症状を伴うものである1)と定義される。通常は保存療法で軽快するが,適切な初期治療がなされなかった場合には全身管理が必要になる場合もある。特にA群β溶血性レンサ球菌感染で重症に至った報告もある2)。
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