特集 産科医療補償制度15年でみえてきたもの―脳性麻痺の原因分析と再発防止策
各論
脳性麻痺の原因と再発防止 2.産科疾患 母児間輸血症候群
藤田 恭之
1
FUJITA Yasuyuki
1
1九州大学病院総合周産期母子医療センター
pp.110-112
発行日 2024年1月10日
Published Date 2024/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001412
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はじめに
母児間輸血症候群は,妊娠中または分娩中に胎児血が母体循環に流入する結果,胎児に貧血をきたす疾患であり,母児間輸血の結果として生じる胎児貧血によって,神経学的後遺症,死産,新生児死亡などの重大な結果をきたしうる1)。母児間輸血の原因としては,母体外傷あるいは前置胎盤や前置血管との併発,羊水穿刺後や骨盤位外回転術後などが挙げられているが,母児間輸血となった症例の80%以上は原因が特定されていない2,3)。
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