増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
分娩のメカニズム
分娩後の胎盤剝離の機序と癒着胎盤の形成はどこまでわかっているか
長谷川 潤一
1
,
佐治 正太
1
HASEGAWA Junichi
1
,
SAJI Shota
1
1聖マリアンナ医科大学産婦人科学
キーワード:
胎盤
,
癒着胎盤
,
胎盤剝離
,
脱落膜
Keyword:
胎盤
,
癒着胎盤
,
胎盤剝離
,
脱落膜
pp.101-105
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001250
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分娩後の胎盤剝離の機序
正常の分娩第3期の胎盤の剝離は,子宮底側からの子宮収縮に始まる。強い子宮収縮によって脱落膜から絨毛膜が剝離される。剝離が起きると胎盤母体面に血液の溜まりが増え,さらに剝離が進行する。徐々に強くなる子宮収縮によって,子宮体部から子宮下節のほうに胎盤が搾り出される。胎盤実質部分が娩出に至り,残る卵膜が胎盤の重みで少しずつ剝がれ,分娩第3期が終わる(図1)。
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