増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
胎児の発達と先天性疾患
腹壁・消化器・泌尿器の発達と形態異常はどこまでわかっているか
加地 剛
1
KAJI Takashi
1
1徳島大学病院産科婦人科
キーワード:
臍帯ヘルニア
,
食道閉鎖
,
鎖肛
,
閉塞性腎障害
Keyword:
臍帯ヘルニア
,
食道閉鎖
,
鎖肛
,
閉塞性腎障害
pp.144-148
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001260
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腹 壁
1 腹壁の発生
体壁(腹壁および胸壁)の形成は妊娠5~6週に,両側の側方皺壁,頭側皺壁,尾側皺壁の4つの皺壁が伸展し,臍部で合流し閉鎖することで形成される1)。そのため,体壁の異常は臍部およびその近辺に起こることが多い。妊娠7~10週頃には腸管と腹部実質臓器が急速に発育し,腸管が腹腔内に収まらなくなる。そのため,腸管の一部が一時的に臍帯内に脱出する生理的臍帯ヘルニアが生じる(図1)。生理的臍帯ヘルニアでは肝臓が脱出することはなく,また12週以降には認められない。
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