増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
胎児の発達と先天性疾患
胎児循環の特殊性(卵円孔,動脈管,静脈管)とその異常はどこまでわかっているか
廣瀬 彰子
1
,
前野 泰樹
2
HIROSE Akiko
1
,
MAENO Yasuki
2
1久留米大学医学部小児科
2聖マリア病院新生児科
キーワード:
胎児循環
,
卵円孔
,
動脈管
,
静脈管
Keyword:
胎児循環
,
卵円孔
,
動脈管
,
静脈管
pp.140-143
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001259
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胎児循環の特殊性
1 胎児循環(図1)
胎児循環では胎盤で酸素化が行われるため,肺循環の必要性が少ない。このため,胎児循環には3つの短絡,すなわち1つの心内短絡(卵円孔)と2つの心外短絡(静脈管,動脈管)が存在する。また,特に卵円孔と動脈管により,右心室と左心室による並列循環となっており,これが出生後循環とは異なる胎児循環の大きな特徴となっている1)。
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