増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
妊娠による母体の変化と妊娠維持
妊娠時の腸内細菌叢はどこまでわかっているか
髙田 和秀
1
,
相澤(小峯) 志保子
1
,
早川 智
1
TAKADA Kazuhide
1
,
KOMINE-AIZAWA Shihoko
1
,
HAYAKAWA Satoshi
1
1日本大学医学部病態病理学系微生物学分野
キーワード:
腸内細菌叢
,
腸-子宮相関
,
エストロボローム
,
妊娠合併症
Keyword:
腸内細菌叢
,
腸-子宮相関
,
エストロボローム
,
妊娠合併症
pp.21-23
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001229
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背 景
我々の健康と腸内細菌叢は綿密に結びついている。近年,腸-脳相関など遠隔の臓器間における相互作用が注目されており,各臓器における細菌叢はこれら相互作用の重要な因子の一つである。最近では,腸-腟相関をはじめ,女性生殖器と各臓器との相互作用の存在も明らかになりつつある1)。細菌叢のなかでも我々の体に存在する細菌の約90%が存在するとされる腸内細菌叢が宿主の免疫,代謝,消化,神経発達全身に及ぼす影響は大きい。それゆえ腸内細菌叢が妊娠の維持に及ぼす影響も少なくないと思われ2),実際に妊娠合併症では正常妊娠と比べ腸内細菌叢の違いが報告されている。
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