増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
妊娠による母体の変化と妊娠維持
なぜ抗原性の異なる胎児が拒絶されず妊娠が維持されるのか。免疫能の変化は?
齋藤 滋
1
SAITO Shigeru
1
1富山大学
キーワード:
制御性T細胞
,
着床障害
,
妊娠高血圧腎症
,
免疫
,
早産
Keyword:
制御性T細胞
,
着床障害
,
妊娠高血圧腎症
,
免疫
,
早産
pp.2-5
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001224
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胚が着床し,子宮内膜上皮を突き破り間質に侵入すると,母体の免疫細胞は胚を認識し,胚周囲に多くのリンパ球が集積してくる。さらに,これらのリンパ球(NK細胞,T細胞)は活性化抗原を認識しており,サイトカインの産生は亢進している1)。すなわち,胚は母体免疫細胞に異物として認識されており,免疫担当細胞は活性化されている。それではなぜ,胎児は拒絶されないのであろうか。
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