特集 胎児・新生児の消化管機能と消化管疾患
各論
小腸閉鎖・狭窄
吉田 真理子
1
YOSHIDA Mariko
1
1東京大学小児外科
pp.1632-1635
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001162
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疫学・病態
小腸閉鎖・狭窄の発症頻度は4,000~5,000出生に1例とされ1),日本小児外科学会による2018年新生児外科全国集計(以下,2018年集計)では腸閉鎖・狭窄(十二指腸閉鎖除く,結腸閉鎖含む)は192例で,新生児外科症例総数の6.8%を占めた2)。性差はなく,低出生体重児に多いとされる。十二指腸閉鎖・狭窄と比較すると合併奇形は少ないが,時に腹壁破裂を合併することがあり,腹壁破裂の10~20%に腸閉鎖を合併するとされる3)。閉鎖部位は回腸,空腸の順に多く,多発閉鎖も時にみられる。2018年集計では回腸43%,空腸30%,多発閉鎖11%であった2)。
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