特集 新型コロナウイルス感染症と周産期医療
各論
新生児医療への影響 COVID-19の面会・育児への影響
杉浦 弘
1
SUGIURA Hiroshi
1
1聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター新生児科
pp.1497-1501
発行日 2023年10月10日
Published Date 2023/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001129
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はじめに
『生まれて1か月経過したけど,私とこの子の時間は合計で3日しかない』。当院NICUにおいて1日60分のみに面会を制限していた際に母親に言われた言葉である。我々スタッフにとっては,感染症対策という名のもとに行われていた面会制限について,非常に考えさせられる言葉であった。2019年12月31日の原因不明の肺炎報道に端を発した新型コロナウイルス感染症は瞬く間に世界に広がり,生活様式を一変させた。医療現場も大きな影響を受け,NICUの現場においては家族の面会時間や退院支援に影響した。本稿では,NICUにおける面会の意義を述べた後,パンデミックが周産期の医療現場や社会での育児支援においてどのような影響を及ぼしていたかを当院や地域の状況も交えて述べる。
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