特集 新型コロナウイルス感染症と周産期医療
各論
産科医療への影響 COVID-19の妊産婦のメンタルヘルスへの影響
小畑 聡一朗
1
OBATA Soichiro
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター
pp.1469-1472
発行日 2023年10月10日
Published Date 2023/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001123
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はじめに
妊娠・出産に伴い,産後うつをはじめとする精神的な不調を訴えるケースは多くみられ,不十分な医療介入は母児の不良な予後につながる1)。妊産婦死亡症例検討評価委員会から出される母体安全の提言のなかでも母体死亡の原因の一つとして妊産婦の自殺があることが取り上げられ,妊産婦のメンタルヘルスケアの重要性が指摘されている(母体安全の提言)2)。妊産婦のメンタルヘルスケアでは妊婦健診,両親学級などを通じたスクリーニングや精神科や医療ソーシャルワーカー,行政などとの他職種連携,パートナーや家族によるサポートが重要であるが,新型コロナウイルス感染症流行下ではさまざまな制約があり,妊産婦のメンタルヘルスケアにとっては障壁となり,大きな影響を与えた。
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