特集 妊産婦死亡の現状と削減に向けた対策
総論
産科麻酔と妊産婦死亡
照井 克生
1
TERUI Katsuo
1
1埼玉医科大学総合医療センター産科麻酔科
pp.314-318
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000808
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はじめに
産科麻酔に起因する妊産婦死亡を最初に明らかにしたのは,武田,長屋らによる厚生省研究班によるもので,1991,1992年の2年間230例の妊産婦死亡のうち,麻酔が原因は5例だった。その内訳は,気管挿管など不適切な麻酔管理が4例,帰室後の誤嚥1例だった1)。これら麻酔に起因する死亡原因は海外からの報告と同様であるが,日本では産科医が麻酔担当者として産科処置と並行して麻酔や全身管理を担っていることが課題として指摘された2)。
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