特集 Controversies in perinatology 2023 産科編
妊娠24週未満の骨盤位―経腟分娩を行う立場から
山田 拓馬
1
,
石井 桂介
1
YAMADA Takuma
1
,
ISHII Keisuke
1
1大阪母子医療センター産科
pp.1709-1712
発行日 2022年12月10日
Published Date 2022/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000717
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
周産期医療の進歩により超早産児の死亡率が改善していることが報告されており,そのなかでも在胎22週,23週の改善はめざましい。新生児臨床研究ネットワーク(Neonatal Research Network Japan:NRNJ)のデータベースによると,在胎22週の死亡率は2003年で70%以上であったが,2016年には約40%に,在胎23週の死亡率は30%以上であったが約20%と著明な低下を認めている。しかし,神経学的後遺症の頻度は在胎22週で52%,在胎23週で42%と依然として高く,超早産児の長期予後改善への対策は引き続いて重要な課題である。分娩様式は超早産児の予後に影響する可能性がある。超早産期における分娩様式について,経腟分娩と帝王切開において新生児予後に差がないとする報告1)が多い。2016年の米国産科婦人科学会(ACOG)のワークショップで発表された見解2)では,超早産期におけるルーチンの帝王切開は推奨されないとしている。超早産期の骨盤位の頻度は約25%で決してまれではないが,この時期の骨盤位分娩における分娩様式に関する研究は少なく,明確な指針はない。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.