Medical Scope
骨盤位分娩とCPD
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.883
発行日 1981年11月25日
Published Date 1981/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205933
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頭位の妊婦でのCPD,すなわちcephalopelvic disproportion児頭骨盤不適合の診断では,X線骨盤計測や胎児大横径計測値の検査のほかに,分娩がなかなか進行しない,あるいは,途中で止まってしまうなどという臨床的な条件も加わってきますが,骨盤位分娩のときは,CPDがあるかないかは分娩前に決定しておかなくてはなりません。この事実は諸君もよく知っておいでのことでしょうが,もし,CPDがあるかないかわからないままに骨盤位分娩が進行し,躯幹は娩出したのに児頭がつっかかって娩出されないで,ああやっぱりこの症例はCPDがあったのだといってももう遅すぎるからです。では,実際に骨盤位分娩の症例で,どんなことをして分娩前にCPDを正しく診断して,この症例は経腟分娩は無理だから帝切にしようと決定するのでしょうか。こんな問題点を今月は述べてみようと思います。
骨盤の径線で,最もせまい縦径である産科的(真)結合線OC(TC)には,ちょうど児頭の大横径が通過することになるので,一応妊婦のX線骨盤計測でOCをはかり,超音波断層法で胎児の大横径計測を行ない,両者を比較することにします。X線骨盤計測はこの場合,正面像より側面像の方がOCをはかるのに便利なので,ガスマンGuthman法とよばれている側面からの撮影法を行ないます。
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