特集 Controversies in perinatology 2023 産科編
胎児異常(先天性横隔膜ヘルニア)―経腟分娩
甘利 昭一郎
1
,
伊藤 裕司
1
,
左合 治彦
2
AMARI Shoichiro
1
,
ITO Yushi
1
,
SAGO Haruhiko
2
1国立成育医療研究センター新生児科
2国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター
pp.1703-1705
発行日 2022年12月10日
Published Date 2022/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000715
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
先天性横隔膜ヘルニア(congenital diaphragmatic hernia:CDH)は,胎児期に横隔膜の欠損孔を通じて腹部臓器が胸腔へと脱出する先天異常である。脱出した腹部臓器による圧排の結果,肺低形成をきたし,出生後には遷延性肺高血圧症を合併する。出生前に超音波検査などで診断される例は,腹部臓器の脱出の程度が強く,出生後診断例よりも重症であり1),出生に伴って胎盤を介した酸素供給が断たれると急激に呼吸循環不全に陥る。したがって,出生前診断例については,出生直後に気管挿管,人工呼吸,静脈路確保,薬剤投与といったさまざまな蘇生処置を同時に行える体制を整えることが望ましい。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.