特集 Controversies in perinatology 2023 産科編
HELLP症候群(母体に対するステロイド投与)―使用する
野﨑 紀子
1
,
長谷川 潤一
2
NOZAKI Noriko
1
,
HASEGAWA Junichi
2
1吉本レディースクリニック産婦人科
2聖マリアンナ医科大学産婦人科学
pp.1679-1682
発行日 2022年12月10日
Published Date 2022/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000707
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はじめに
HELLP症候群は,妊娠中あるいは分娩後に溶血(hemolysis),肝酵素の上昇(elevated Liver enzymes),血小板減少(low platelets)を呈する疾患であり,母体死亡やDIC(播種性血管内凝固症候群),常位胎盤早期剝離などを合併する重篤な疾患である。HELLP症候群を妊娠高血圧症候群の一つの病型とする点については意見の分かれるところではあるが,全身の血管内皮障害に伴った末梢血管の微小血栓,血管透過性の亢進,凝固障害などによって起こる臓器障害との関連は,深い点については共通である。
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