今月の臨床 妊娠中毒症—新しい視点から
関連疾患の管理
2.HELLP症候群
水上 尚典
1
,
佐藤 郁夫
1
1自治医科大学産婦人科
pp.174-176
発行日 2001年2月10日
Published Date 2001/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904258
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はじめに
妊娠中毒症や子癇合併妊婦がHemolysis(H,溶血),Elevated Liver enzymes(EL,ASTやALTなどの肝臓由来酵素の上昇),Low Platelet(LP,血小板減少症)などの血液検査異常を示すことがあり,予後が不良であることは1950年代から報告されるようになった.1982年Weinstein1)がHELLP症候群と名付けて29例を報告した.(HELP!助けて)という呼称がなじみやすかったこともあってか,HELLP症候群はその後全世界で有名になった.この呼称により妊婦が肝機能異常や血小板減少症を示した時はそれが産科固有の疾患である可能性がありかつ注意を要する状態であることを全世界の産科医が知るようになった.Weinsteinはわれわれに何を伝えたかったのか?その後,HELLP症候群について何が明らかとなったかを解説したい.
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