特集 見て,聞いて,触って,身体所見から考える妊産褥婦の異常とその対応
聞こえにくい,耳鳴りがする
柿木 章伸
1
KAKIGI Akinobu
1
1神戸大学大学院医学研究科外科系講座耳鼻咽喉科頭頸部外科領域
pp.1057-1059
発行日 2022年8月10日
Published Date 2022/8/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000262
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はじめに
妊娠により女性の体には大きな変化が起こるが,これらのほとんどは妊婦や胎児に有害事象をもたらすことはない。しかし,あるものは疾病の原因となりうる。妊娠中に起こるホルモンの変化は,体のあらゆる器官に影響を与えうる。耳鼻咽喉科領域においても例外ではない。多くの症状は軽度でかつ一過性ではあるが,それらを耳鼻咽喉科医が妊娠による症状と診断し,患者を適切に管理することが重要である。すなわち,適切な治療の選択とそれらの危険性に関しての十分な情報が患者管理において求められる。本稿では,妊娠中に発症する聞こえにくさと耳鳴りに関して,患者の訴え,身体所見と発症機序,治療法について述べる。
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