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特集 治りにくい症状への対応
治りにくい耳閉感(耳管開放),耳鳴り
How to treat for the patients of aural fullness and/or tinnitus with difficulty in recovery?
佐藤 美奈子
1
Minako Sato
1
1東京電力病院耳鼻咽喉科
pp.991-996
発行日 2011年12月20日
Published Date 2011/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102016
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Ⅰ.はじめに
治りにくい耳閉感や耳鳴りの原因は,その大部分を感音難聴が占めるが,耳管開放症は,物理的な原因でありながら,治りくい耳閉感,自声強調,自己呼吸音聴取などが続き,治療に難渋する疾患の一つである。
耳閉感,耳鳴の苦痛は,①難聴が進行するのではないか? 耳閉感(または耳鳴)があるために聞こえにくいのではないか? (聴器病変不安型),②頭に悪影響を及ぼすのではないか? 脳に病気があるのではないか? (頭蓋内病変不安型),③耳閉感(または耳鳴)そのものがうっとうしい(感覚苦痛型)の3パターンに分けられる。まずはじめに,治療可能な疾患であればそれに対する治療を行う。その後は,不安の原因となる器質的疾患の除外診断,疾患に対する間違った概念の修正を行っていく。患者の苦痛を和らげるためには,心身医学的アプローチも効果的である1)。
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