連載 帰ってきた やなさん。・24
自粛時間に勉強をっ!
柳田 絵美衣
1,2
1慶應義塾大学病院臨床検査科ゲノム検査室
2慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
pp.1288
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208547
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「柳田さん,バイオリポジトリ技術管理士の試験,受けてみませんか?」ある機器メーカーの学術担当者さんから誘われた.「バイオリポ……?」横文字が非常に苦手な私が認識できたのは“バイオ”だけで,実際いまも正式名称はスラスラ言えない(←おいおい).“リポジトリ(repository)”とは,容器,収納庫,貯蔵庫などを意味する用語なので,単純に直訳すると,バイオリポジトリ技術管理士=生物に関する貯蔵庫を管理する人だ.検査・研究は対象となる検体や試料の不適切な前処理や保管・管理によって,品質が低下してしまい,結果に影響を及ぼしてしまう…….
確かに,私が専門としている病理・ゲノム検査は検体の品質によっては検査結果が出せないことも少なくない.他の検査・研究分野でも,検体の品質は間違いなく重要だ.臨床検査において精度管理の重要性が高まり,ISO 15189などの第三者認定を受ける施設が近年増加している.第三者認定で必要な管理(手順書作成や機器保守点検など)について,ある程度知っているが,各検体に最適な管理方法って知らない.「おっしゃ! 受けましょう!」
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