研究
医師と看護師における早産児ビリルビン脳症の認知度の違い
岩谷 壮太
1
,
黒川 大輔
2
,
森岡 一朗
3
IWATANI Sota
1
,
KUROKAWA Daisuke
2
,
MORIOKA Ichiro
3
1兵庫県立こども病院周産期医療センター新生児内科
2姫路赤十字病院小児科
3日本大学医学部小児科学系小児科学分野
pp.125-129
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000027
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背景と目的
近年のわが国では,周産期・新生児医療の進歩とともに超早産児の救命率が向上したと同時に,その神経学的後障害の克服が重要課題となっている。そうしたなかで,2000年代に入り,乳幼児期にアテトーゼ型脳性麻痺を呈する早産児の報告例が増加した1,2)。これらの症例の精査から,核磁気共鳴画像や聴性脳幹反応検査の異常所見からビリルビン脳症(早産児ビリルビン脳症)と臨床診断される症例が存在することが明らかとなった2,3,4)。われわれは新生児集中治療室(NICU)に入院中の早産児の黄疸管理について見直しを進め5,6,7),長期管理を必要とする早産児を想定した「神戸大学の新基準」(新基準)を作成し,2016年9月に提唱した6,7,8)。2020年2月には「早産児ビリルビン脳症(核黄疸)診療の手引き」を作成し9),2020年8月には本疾患の周知・認知を奨めるべく,小児科医全般を対象にWebセミナーとしてビリルビンクラブを企画するなど啓発活動を行っている。しかし,周産期医療に従事する医師・看護師において,早産児ビリルビン脳症の認知度がどれだけ向上しているのか,十分な調査がなされていないのが現状である。
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