特集 耳鼻咽喉科領域における患者支援機器
【耳科領域】
自宅でできる自己通気装置
有本 友季子
1
Yukiko Arimoto
1
1千葉県こども病院耳鼻咽喉科
キーワード:
自己通気療法
,
滲出性中耳炎
,
耳管通気処置
Keyword:
自己通気療法
,
滲出性中耳炎
,
耳管通気処置
pp.398-400
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000002074
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はじめに
自己通気療法は,滲出性中耳炎の治療で用いられることが多い。滲出性中耳炎は,乳幼児期から小学校低学年の小児が罹患しやすい疾患である。滲出性中耳炎は急性中耳炎とは異なり,発熱や耳痛,耳漏等の症状を呈しないことから保護者が気づきにくく,鼻炎症状を主訴に耳鼻咽喉科を受診した際に初めて診断されるケースも多い。両耳が滲出性中耳炎になると,TVのボリュームを大きくしたり声かけに反応しにくかったり聞き返しがみられる等,これまでより聞こえの反応が鈍くなったと保護者が気づき受診行動につながることもある。滲出性中耳炎の治療についてはガイドラインが出ており,その中に耳管通気処置や自己通気療法についても触れられている。3カ月以上遷延する両側の滲出性中耳炎で30dB以上の聴力低下がみられる場合や一側でも病的鼓膜所見がある場合には鼓膜換気チューブ挿入術の適応とされるが,診療に訪れる滲出性中耳炎罹患児の保護者の中には,外科的治療ではなく保存的治療を強く希望される方もある。そのような場合には特に自己通気療法は治療法の選択肢となりうる。以下に述べるが,耳管通気治療での効果を維持し滲出性中耳炎の改善につなげるためには処置回数も重要な要素であるとの報告もあり,通院治療のみでは限界があるため自宅での自己通気療法の必要性を認める。

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