特集 細菌,ウイルス,真菌―微生物学のパラダイムシフト―
【口腔・咽頭・頸部領域】
ウイルス性咽頭炎と抗菌薬の過剰使用
竹林 康幸
1
Yasuyuki Takebayashi
1
1東京医科大学病院感染制御部・感染症科
キーワード:
ウイルス性咽頭炎
,
Centorの基準
,
抗菌薬適正使用
Keyword:
ウイルス性咽頭炎
,
Centorの基準
,
抗菌薬適正使用
pp.293-295
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000002036
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はじめに
急性咽頭炎は日常診療で最も頻度の高い主訴の一つであり,その病態の大半はウイルス感染に起因するいわゆる風邪症候群と呼ばれる病態である1)。ウイルス性咽頭炎は自然軽快する良性疾患であり,抗菌薬を必要としないことが国際的なガイドラインでも強調されている。しかし現実の診療ではウイルス性であることが明らかであるにもかかわらず,抗菌薬が処方される状況は少なくない。抗菌薬の不適切な使用は耐性菌の増加,副作用の発現,医療費の増加といった不利益をもたらし,抗菌薬適正使用(Antimicrobial Stewardship:AMS)の観点からも重大な問題である。本稿ではなぜ抗菌薬が処方されてしまうのか,また抗菌薬の過剰使用はどのような弊害をもたらすのかを中心に論じる。

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