連載 ABR―深く理解し,正しく判定するために―
小児のABR改善と悪化
加我 牧子
1,2
Makiko Kaga
1,2
1東京都立東部療育センター名誉院長
2国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所名誉所長
キーワード:
ABR
,
小児
,
ABRの改善
,
ABRの悪化
Keyword:
ABR
,
小児
,
ABRの改善
,
ABRの悪化
pp.1631-1637
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001928
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はじめに
1970年,聴性脳幹反応(auditory brainstem response:ABR)はJewettら1)によって報告され,聴覚刺激により安定して記録でき,再現性があり,睡眠覚醒レベル,通常の麻酔による変化がないこと,Ⅴ波域値は自覚的聴力検査から得られる域値とほぼ同様であることなどから早期から臨床への導入がはかられてきた。特に各波の起源研究から聴力検査のみではなく,聴覚伝導路病変部位が推定できることなどから,臨床領域に応用されると同時に爆発的に使用されるようになり,多くの研究成果が報告された。特に新生児集中治療室(Neonatal Intensive Care Uniti:NICU),小児神経科領域から,数多くの論文が発表され,新たな知見が数多く報告された。

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