連載 ABR-深く理解し,正しく判定するために-
実験動物のABR
水足 邦雄
1
Kunio Mizutari
1
1東京女子医科大学附属足立医療センター耳鼻咽喉科
キーワード:
ABR
,
マウス
,
ラット
,
閾値
,
振幅
,
潜時
Keyword:
ABR
,
マウス
,
ラット
,
閾値
,
振幅
,
潜時
pp.939-942
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001721
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はじめに
Auditory brainstem response(ABR)は蝸牛および脳幹から検出される反応であり,被験者の自発的な応答を必要としない,他覚的聴覚検査を代表する電気生理的な検査法である。この特性から,臨床では自発的な反応を得ることが難しい乳幼児の聴覚検査でABRは最も多く活用されている。聴覚の基礎研究を行う際に用いることの多い実験動物でも,信頼できる自発的な聴覚反応を得るためには条件付けのために多大な労力を要する。そのため,実験動物ではABRが聴覚評価のスタンダードとなっており,これまでにさまざまな研究で用いられている。

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