特集 デジタル時代の最新テクノロジーの医療応用
【耳鼻咽喉科・頭頸部外科とAI】
内視鏡下狭帯域光観察画像解析におけるAI活用
藤村 真太郎
1
Shintaro Fujimura
1
1京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
人工知能(AI)
,
咽喉頭表在癌
,
NBI
Keyword:
人工知能(AI)
,
咽喉頭表在癌
,
NBI
pp.1611-1614
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001923
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内視鏡下狭帯域光観察とAI
内視鏡下狭帯域光観察(narrow band imaging:NBI,OLYMPUSメディカルシステムズ,以下OLYMPUS)は,狭帯域化された2つの波長をもつ照射光を用いて得られた情報を信号処理し強調画像を得る観察方法である。本法は1999年に佐野,武藤,後野らにより開発が開始され,2006年6月にOLYMPUSより同機能を搭載した内視鏡システムが発売された。特に血管構造の描出においてコントラストに優れるとともに,粘膜表面からの深さにより異なる色調で描出されることにより,腫瘍性病変の拾い上げとがん・非がんの鑑別,深達度評価における有用性が示されており,消化管内視鏡検査における微小血管診断学の構築に甚大な役割を果たした。頭頸部領域においても2004年に武藤らが世界初となる頭頸部癌の初期病変を報告し1,2),頭頸部領域における上部消化管内視鏡の役割を大きく変えることとなった。

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