特集 花粉症の疑問に答える
【診断・検査】
抗原特異的IgEの診断的意義は?
寺田 哲也
1
Tetsuya Terada
1
1大阪医科薬科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
アレルギー性鼻炎
,
抗原特異的IgE抗体
,
局所アレルギー性鼻炎
Keyword:
アレルギー性鼻炎
,
抗原特異的IgE抗体
,
局所アレルギー性鼻炎
pp.1088-1092
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001766
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はじめに
アレルギー性鼻炎の有病率は年々上昇しており,その割合は50%近くに及ぶとされている。重症例では学業や就労への影響,QOL(生活の質)の低下が顕著であることから,正確な診断と,その病型や重症度に基づく治療介入が求められている。抗原特異的IgEの測定は,原因抗原の特定や治療方針の決定において重要な役割を果たす。しかしながら,その結果の解釈には注意が必要であり,検査結果を単独で評価し,抗原特異的抗体陽性≒アレルギー性鼻炎と解釈するのではなく,症状と鼻粘膜所見を含めての総合的な診断と治療が望ましい。

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