特集 花粉症の疑問に答える
【疫学】
アレルギー性鼻炎の全国調査の動向は?
松原 篤
1
Atsushi Matsubara
1
1弘前大学名誉教授
キーワード:
アレルギー性鼻炎
,
花粉症
,
疫学
,
アンケート調査
Keyword:
アレルギー性鼻炎
,
花粉症
,
疫学
,
アンケート調査
pp.993-996
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001740
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
さまざまなアレルギー性疾患の中で,アレルギー性鼻炎はその有病率が高いことが知られている。アレルギー性鼻炎は通年性鼻炎と季節性鼻炎(花粉症)に大別されるが,なかでもスギ花粉症の有病率は増加の一途をたどっており,社会問題となっているのは周知の通りである。その根拠の1つとして挙げられるのが,1998年からほぼ10年おきに計3回にわたり,全国の耳鼻咽喉科医師ならびにその家族を対象として自記式アンケートにより行われてきた全国疫学調査である。1998年ならびに2008年は独協医大の馬場らによって行われ1,2),2019年の調査は,日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会に組織された有病率調査委員会がこれを引き継ぐ形で実施された3)。解析対象者数は,1998年が17,031名,2008年は15,673名,2019年には19,859名に及ぶ大規模調査である。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.