特集 鼻科診療の論点-異なる立場の対話とディベート-
【異なる診療科の立場から】
小児アレルギー性鼻炎の対応―小児科医の立場から―
加藤 正也
1
,
吉原 重美
1
Masaya Kato
1
,
Shigemi Yoshihara
1
1獨協医科大学医学部小児科学
キーワード:
小児
,
アレルギー性鼻炎
,
花粉症
Keyword:
小児
,
アレルギー性鼻炎
,
花粉症
pp.177-180
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001470
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
アレルギー性鼻炎は通年性と季節性(花粉症)に分かれるが,小児の有病率は両方とも増加している。耳鼻咽喉科医とその家族を対象に行われた全国疫学調査では,約20年間で通年性アレルギー性鼻炎の有病率は18.7%から24.5%に増加し,花粉症の有病率は19.6%から42.5%と2倍以上に増加している。特に小児におけるスギ花粉症の有病率の増加は著しく,5~9歳では7.5%から30.1%,10~19歳では約19.7%から49.5%に増え,社会問題になっている1)。スギ花粉症は日々の生活に悪影響を与えるだけでなく,クラブ活動など屋外での活動する生徒達にとっては,スポーツのパフォーマンスが低下するという悩みもある。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.