中咽頭を含むHPV関連癌の予防，ワクチン

HPV関連疾患予防の動向

　HPV関連の代表的ながんである子宮頸癌について，日本では年間約3,000人が子宮頸癌で亡くなり，1万人以上の女性が浸潤がんに罹患しており，子宮頸癌予防対策による死亡者の減少に過去30年至っていない。このことは，有効な子宮頸癌検診を実施し，浸潤子宮頸癌が減少している先進国と異なる状況であり，日本ではこれまでに有効な子宮頸癌検診が行われてこなかったと言わざるを得ない。また若い年代の男女の多くが感染するHPV（human papillomavirus）の感染そのものを予防するHPVワクチンは，現在では100カ国以上で国の予防接種プログラムに組み込まれている。