特集 Up to date HPV関連中咽頭癌
【総論】
HPV関連中咽頭癌の発がんメカニズム
平川 仁
1
,
池上 太郎
1
,
鈴木 幹男
1
Hitoshi Hirakawa
1
,
Taro Ikegami
1
,
Mikio Suzuki
1
1琉球大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
HPV
,
中咽頭癌
,
HPV関連中咽頭癌
,
発がんメカニズム
Keyword:
HPV
,
中咽頭癌
,
HPV関連中咽頭癌
,
発がんメカニズム
pp.737-741
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001653
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はじめに
ヒトパピローマウイルス(human papilloma- virus:HPV)の感染が原因で発生するHPV関連癌は,全悪性腫瘍の約5%を占めその大部分は中咽頭癌と子宮頸癌である。HPVは発がんとの関連によって低リスク型と高リスク型に分類される。低リスク型HPV(HPV6,HPV11など)は良性の乳頭腫を引き起こすが,がん化することはまれである。一方高リスク型HPVは,子宮頸部や頭頸部における悪性腫瘍の形成に関与し,中咽頭癌では約90%でHPV16が,HPV関連子宮頸癌では約70%でHPV16あるいはHPV18が原因となる。

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