特集 Up to date HPV関連中咽頭癌
【治療】
HPV陽性と陰性による治療の選択
藤本 将平
1
,
安藤 瑞生
1
Shohei Fujimoto
1
,
Mizuo Ando
1
1岡山大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
HPV
,
中咽頭癌
,
HPV陽性
,
HPV陰性
,
治療選択
,
低侵襲治療
Keyword:
HPV
,
中咽頭癌
,
HPV陽性
,
HPV陰性
,
治療選択
,
低侵襲治療
pp.779-782
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001665
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はじめに
HPV(human papillomavirus)関連中咽頭癌は,HPV非関連癌と比較して予後が良好である。日本では,2018年に発刊された『頭頸部癌取り扱い規約 第6版』において,新たにHPV陽性中咽頭癌のTNM分類とステージがHPV陰性中咽頭癌とは区別されるようになった。適切なステージングを行うためには,腫瘍検体のp16染色が必須であるが,治療アルゴリズムは両者で共通している。これは,HPV関連の有無に応じて標準治療を変更すべき明確なエビデンスが確立されていないためである。つまり,「HPV陽性だから手術より化学放射線療法を優先する」といった治療選択は,現時点では推奨されていない。

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