連載 症例をどうみるか
頸部縦隔膿瘍から両側声帯麻痺をきたした1例
井口 元貴
1
,
大木 雅文
1
,
田中 是
1
,
菊地 茂
1
Genki Iguchi
1
,
Masafumi Ohki
1
,
Sunao Tanaka
1
,
Shigeru Kikuchi
1
1埼玉医科大学総合医療センター耳鼻咽喉科
キーワード:
頸部膿瘍
,
縦隔膿瘍
,
反回神経麻痺
Keyword:
頸部膿瘍
,
縦隔膿瘍
,
反回神経麻痺
pp.375-379
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001522
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はじめに
反回神経麻痺の病因は,悪性腫瘍(25.2~38.1%),術後性(10.4~51.2%),特発性(16.8~26.8%)が多く,その他の病因は少ない1)。その他の病因には脳神経疾患,外傷,心疾患,ウイルスが含まれる。細菌を起因とした反回神経麻痺は稀であり,多くは結核によるものである2)。頸部縦隔膿瘍による反回神経麻痺は極めて稀である3~8)。今回,頸部縦隔膿瘍による両側反回神経麻痺症例を経験したので報告する。
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