発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009234175
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70歳女。患者は動作緩慢と歩行障害でパーキンソン病と診断された。抗パーキンソン病薬に対する反応は良好で、心臓への123I-MIBG集積も低下していた。しかし、その後、1回の転倒で寝たきりとなり、4日経過しても腰痛が改善せず、起立不可能となった。そして、入院翌日の早朝、喉頭での喘鳴が著明となり、SpO2も93%のため酸素投与が開始された。だが、呼吸状態は悪化に伴い意識レベルは低下し、SpO2も更に低下した。そこで、喉頭ファイバースコープを施行したところ、両側声帯外転麻痺を指摘され、気管内挿管が施行された。症状は急速に改善し、意識レベルも回復したことで第8病日目には気管切開が施行され、続いて第17病日目の検査では声帯の動きに軽度の改善を認めた。しかし、両側声帯外転麻痺は繰り返され、突然の呼吸停止、意識レベルの低下、CO2ナルコーシスを認める等をして患者は人工呼吸器装着となった。以後、呼吸器離脱は困難となったものの、全身状態は安定し転院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009