特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の手術手技トレーニング
京都大学クリニカルアナトミーラボ―臨床解剖実習,ワークショップ,セミナー―
十名 洋介
1
Yosuke Tona
1
1京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
キーワード:
手術手技トレーニング
,
cadaver surgical training(CST)
,
クリニカルアナトミーラボ
Keyword:
手術手技トレーニング
,
cadaver surgical training(CST)
,
クリニカルアナトミーラボ
pp.272-274
発行日 2025年3月1日
Published Date 2025/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001496
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CSTの歴史
医学教育目的でのご献体の使用については死体解剖保存法による法的根拠により所定の要件の下で実施可能であった一方で,卒後教育としてのCST(cadaver surgical training)についてはわが国では法的な根拠が乏しい状態であったが,2012年に「臨床医学の教育及び研究における死体解剖のガイドライン」が日本外科学会と日本解剖学会の連名で公開され,ご献体の卒後教育への利用に関する基盤が作成された1)。このガイドラインにより,複雑で難解な解剖の領域に対する医師・歯科医師の手術手技実習に対する法的・倫理的な根拠となり,多数の施設でCSTが行われるようになっている。CSTによるご献体の使用目的には,基本的な手術手技や侵襲的手技の習得,高度な技術を要する手術手技の習得,ならびに研究段階の手術手技や新規の手術手技,医療機器の開発などが含まれる。
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