特集 これでわかる 婦人科稀少腫瘍
卵巣腫瘍 輪状細管を伴う性索腫瘍
牛若 昂志
1
,
小林 裕明
1鹿児島大学 医学部産科婦人科学教室
キーワード:
Peutz-Jeghers症候群
,
予後
,
卵巣腫瘍
,
卵巣摘出術
,
性索間質腫瘍
,
妊孕性温存
Keyword:
Prognosis
,
Sex Cord-Gonadal Stromal Tumors
,
Peutz-Jeghers Syndrome
,
Ovarian Neoplasms
,
Ovariectomy
,
Fertility Preservation
pp.193-198
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2021121879
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輪状細管を伴う性索腫瘍(sex cord tumor with annular tubules:SCTAT)は、1970年にScullyによってPeutz-Jeghers syndrome患者(以下、PJS例)の卵巣腫瘍における単純輪状細管と複雑輪状細管をもつ特徴的な病理組織学所見として報告された。その後、PJSと関連のない散発例(以下、non-PJS例)も報告された。SCTATの約30%がPJS関連、残りが散発性とされている。PJS例とnon-PJS例では臨床的特徴や予後が異なるため、PJS合併の有無も診断に重要となる(表1)。稀少がんでありPubMedでSCTATを検索しても、150件ほどの報告しかない。診療にあたっては、AYA世代に好発するが、十分なエビデンスや治療指針がない稀少がんであることを念頭において慎重に治療する必要がある。
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