特集 耳鼻咽喉科領域の発達変化と加齢変化
耳鼻咽喉科疾患の診断と治療
発達・成長に伴う疾患 味覚障害
安達 のどか
1
Nodoka Adachi
1
1埼玉県立小児医療センター耳鼻咽喉科
キーワード:
発達変化
,
小児
,
味覚障害
,
先天性味覚障害
,
後天性味覚障害
Keyword:
発達変化
,
小児
,
味覚障害
,
先天性味覚障害
,
後天性味覚障害
pp.1467-1470
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000883
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はじめに
“味覚障害” の診断・治療については,年齢層はほとんどが成人例で,特に高齢者に多く訴えのある症状である。「味覚障害診療の手引き」によると,味覚障害の多様な原因が挙げられている1)。また障害部位による分類においては,末梢神経障害では顔面神経麻痺,聴神経腫瘍,中耳手術後,扁桃摘出術後,ラリンゴマイクロサージェリー後などあり,中枢性障害では脳血管障害,脳腫瘍,多発性硬化症,頭部外傷などとされる。それらの頻度としては低く,その他の原因の多くは,薬剤性,特発性,亜鉛欠乏性,心因・精神疾患の関与例,全身疾患などとあった2)。またその症状より,量的味覚障害(味覚低下,味覚脱失)と質的味覚障害(自発性異常味覚,異味症,悪味症,味覚過敏,解離性味覚障害)に大別される3)。
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